洛南高附01/場合の数/
【他では聞けない『高校への数学』編集長セレクション】/カタラン数A

[問題]

たし算は2つの数から1つの数を求める計算で,3つ以上

の数をたすときには,2つの数のたし算をくり返していくこ

とになります.

たとえば1+2+3や1+2+3+4を,カッコを用いて2つ

のたし算で書き表す方法は,次のようにそれぞれ2通り,5

通りあります.

1+(2+3),(1+2)+3

1+(2+(3+4)),(1+2)+(3+4),((1+2)+3)+4,

1+((2+3)+4),(1+(2+3))+4

 

[注意] たくさんの数をたす場合も考えて,{ }や[ ]を使わずに( )だけを用いています.

1+(3+2)のように,たす数を並べかえることは考えません.

このような式を完全式と呼ぶことにします.このような書き方になっていない,次のような式などは完全式ではありません.

1+2+3 (3つをたしている)

1+(2+3)+4 (1と(2+3)と4の3つをたしている)

(1+2+3)+4 (1と2と3の3つをたしている)

1+2+3+4 (4つをたしている)

このとき,次の問いに答えなさい.

(1) 1+2+3+4+5には何通りの完全式がありますか.

(2) 1+2+3+4+5+6の完全式のうちで,

1+(2+(3+(4+(5+6))))のように1がカッコに囲まれな

いものは全部で何通りありますか.

(3) 1+2+3+4+5+6の完全式のうちで,

(1+(2+3))+(4+(5+6)))のように3と4の間の+が

カッコに囲まれないものは全部で何通りありますか.

(4) 1+2+3+4+5+6には何通りの完全式がありますか.

(01 洛南高附)

 

 

 

■[解答] ■

(1) ① 1+(2345) のタイプ

  部へのカッコのつけ方を考えると,

問題文の例の「1+2+3+4」へのカッコ

のつけ方と同じで5通り.

② (1+2)+(345) のタイプ

  部へのカッコのつけ方を考えると,

問題文の例の「1+2+3」へのカッコの

つけ方と同じで2通り.

③ (1+2+3)+(4+5) のタイプ

②と同じ2通り.

④ (1+2+3+4)+5のタイプ

①と同じ5通り.

以上により,5+2+2+5=14 (通り)

 

(2) 1+(23456) のタイプだから,

  部へのカッコのつけ方を考えると,

(1)の「1+2+3+4+5」へのカッコのつ

け方と同じで14通り

 

(3) (123)+(456) のタイプ.

2つの  部へのカッコのつけ方は,そ

れぞれ2通りずつあるから,答えは,

2×2=4 (通り)

 

(4) 1+2+3+4+5+6の完全式には,

(2),(3)以外に,

① (1+2)+(3456)

② (1+2+3+4)+(5+6)

③ (1+2+3+4+5)+6

のタイプがある.

  部へのカッコのつけ方を考えると,①のタイプは5通り.

②のタイプは,①と同じで5通り.

③のタイプは,(2)と同じで14通り.

以上により,答えは,

14+4+5+5+14=42(通り)

 

なぜ,“カッコのつけ方”が

「カタラン数」と一致するのか?

 

たとえば,

㋐ 1+(2+3) や ㋑ (1+2)+3

を日本語に読みくだすと,

㋐ 1+(2+3)

…「1に,23たしたものをたす

㋑ (1+2)+3

…「12たしたものに,3たす

となります.

ここで,  部を順に,数や+ (プラス)

の記号で書き連ねると,

㋐ 1+(2+3) …“123++”

㋑ (1+2)+3 …“12+3+”

となります.

これらの数や+の列を左から順に見ていくと,「数の個数」がいつでも「+の個数」を上回っていますね.

㋑では,

となります.

“+” の記号が現れる前には,必ず“〇と△を”という言い回しがあるはずなので,

「数の個数」がいつでも「+の個数」を上回るのです.

すると,例の経路の数を数える話です.

上の図の  線を上に超えない経路の数を書き込むと,カッコのつけ方の総数が求められるというワケです.

本問の (4) では,数が6個,+が5個ですから,一番右上の,42通りが答えとなります.

第08回お母さんのための「受験の算数・数学」旬の問題を斬る!

<<受験に関心はあるけれど算数には何とな~く、「カベ」を感じている親御さん、受験は関係ないけど頭を柔らか~く保っておきたいオトナの方(お子さんありなし関わりません)へ>>
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第09回お母さんのための「受験の算数・数学」

第9回お母さん算数終了。ご関係皆様、ありがとうございました。

●一辺の長さが同じ、正四面体Pと正四角錐Qのお話は、難しいけど面白かった~! この二つの立体体積がQ=2Pの関係ということからして、先ずとても新鮮で・・・小学校の知識で理解できた話だったというのがまた、哀しくて。

●しょぼいですがモデルを作ってみました → 画像(後日詳しいのをアップします) ぶっちゃけ、話がよーく見えるようになりました。

●次回は10回を記念しまして、望月俊昭先生をお迎えして7月に開催予定です。詳細は来月発表いたします。では!

第11回お母さんのための「受験の算数・数学」場合の数〜多彩なカタラン数の世界〜

■10月13日、第11回お母さん算数、無事終了致しました。ご参加くださった方、関心をお持ちくださった方、大変ありがとうございました。

■カタラン数お見事でした。最初はナニそれでしたが、経路カウントとのリンク、それがラーメンのお釣りや図形と繋がっている・・何だかスゴイ!と思える2時間でした。

■アンケートより:
「適当(?)な雰囲気の中で、緻密な問題選定、解説順序は素晴らしかった」
「何度も取り上げてほしい内容です」
「自分の子はすぐに書いて数え上げ、間違えるのが目に浮かびました」などなど頂きました!

■次回は最新受験問題ということで来年となります!それまでの間、今までの問題をピックアップしていきたいと思います!

第10回お母さんのための「受験の算数・数学」特別回

去る7月16日(月)、第10回お母さん算数記念回、終了致しました。ご関係皆様、お暑い中、ありがとうございました。
望月先生の、折り紙を折ってここを切るとこんな図形になる!というとっても魅力的な内容に、堀西先生・櫻井先生のいつもの鮮やかな流れで図形を解き明かしてくれるお話が続き、大変盛りだくさんの講演でした!
頂いた声より。
「望月先生の過去の記事の配付もあり、出席して良かった」
「会費払うからもっと長い時間やってほしい!」
「有名な先生お二人の内容に接することができた。大人が聞いても、子供が聞いてもためになる内容だった」などなど。

risukukan_10_movie_190414 – 中

宝仙学園理数インター・特別09/図形

図形

■■ 問題 ■■  

 下の図の四角形ABCDは正方形で,EFGHはそれぞれ辺の

真ん中の点です.

 正方形の内部に点Pをとり,EFGHと直線で結ぶと図のよう

になりました.

 このとき,四角形PGCHの面積を求めなさい.