場合の数

ラサール99/場合の数/
【他では聞けない『高校への数学』編集長セレクション】/カタラン数B

■■ 問題 ■■

■■ 問題 ■■ (文字データ)
多角形の中で交わらないように、頂点どうしを直線で結んで、多角形を三角形に分けます。このときできる三角形の頂点は、すべて多角形の頂点であるとします。
例えば四角形は、(右の図のように)2通りの分け方があります。
このとき、次の多角形は、幾通りの分け方がありますか。
(1)五角形 (2)六角形 (3)七角形
(99 ラ・サール)

渋幕14/場合の数/カタラン数  【他では聞けない『高校への数学』編集長セレクション】

問題

あるラーメン屋では毎週水曜日にセットメニュー500円セ

ールを実施しています.

ある水曜日,開店前に8人の客が待っていました.8人の

客のうち4人は500円玉だけ,他の4人は1000円札だけも

っていました.このラーメン屋にはおつりに使う硬貨は1枚

もなかったので,おつりが不足しないように500円玉と1000

円札を1人ずつもらう順番をうまく工夫して販売しました.

このとき,500円玉と1000円札をもらう順番は全部で何

通りありますか.ただし,8人の客はそれぞれ1セットしか

注文していません.

(2014 渋谷教育学園幕張)

 


 

洛南高附01/場合の数/
【他では聞けない『高校への数学』編集長セレクション】/カタラン数A

[問題]

たし算は2つの数から1つの数を求める計算で,3つ以上

の数をたすときには,2つの数のたし算をくり返していくこ

とになります.

たとえば1+2+3や1+2+3+4を,カッコを用いて2つ

のたし算で書き表す方法は,次のようにそれぞれ2通り,5

通りあります.

1+(2+3),(1+2)+3

1+(2+(3+4)),(1+2)+(3+4),((1+2)+3)+4,

1+((2+3)+4),(1+(2+3))+4

 

[注意] たくさんの数をたす場合も考えて,{ }や[ ]を使わずに( )だけを用いています.

1+(3+2)のように,たす数を並べかえることは考えません.

このような式を完全式と呼ぶことにします.このような書き方になっていない,次のような式などは完全式ではありません.

1+2+3 (3つをたしている)

1+(2+3)+4 (1と(2+3)と4の3つをたしている)

(1+2+3)+4 (1と2と3の3つをたしている)

1+2+3+4 (4つをたしている)

このとき,次の問いに答えなさい.

(1) 1+2+3+4+5には何通りの完全式がありますか.

(2) 1+2+3+4+5+6の完全式のうちで,

1+(2+(3+(4+(5+6))))のように1がカッコに囲まれな

いものは全部で何通りありますか.

(3) 1+2+3+4+5+6の完全式のうちで,

(1+(2+3))+(4+(5+6)))のように3と4の間の+が

カッコに囲まれないものは全部で何通りありますか.

(4) 1+2+3+4+5+6には何通りの完全式がありますか.

(01 洛南高附)

 

 

 

■[解答] ■

(1) ① 1+(2345) のタイプ

  部へのカッコのつけ方を考えると,

問題文の例の「1+2+3+4」へのカッコ

のつけ方と同じで5通り.

② (1+2)+(345) のタイプ

  部へのカッコのつけ方を考えると,

問題文の例の「1+2+3」へのカッコの

つけ方と同じで2通り.

③ (1+2+3)+(4+5) のタイプ

②と同じ2通り.

④ (1+2+3+4)+5のタイプ

①と同じ5通り.

以上により,5+2+2+5=14 (通り)

 

(2) 1+(23456) のタイプだから,

  部へのカッコのつけ方を考えると,

(1)の「1+2+3+4+5」へのカッコのつ

け方と同じで14通り

 

(3) (123)+(456) のタイプ.

2つの  部へのカッコのつけ方は,そ

れぞれ2通りずつあるから,答えは,

2×2=4 (通り)

 

(4) 1+2+3+4+5+6の完全式には,

(2),(3)以外に,

① (1+2)+(3456)

② (1+2+3+4)+(5+6)

③ (1+2+3+4+5)+6

のタイプがある.

  部へのカッコのつけ方を考えると,①のタイプは5通り.

②のタイプは,①と同じで5通り.

③のタイプは,(2)と同じで14通り.

以上により,答えは,

14+4+5+5+14=42(通り)

 

なぜ,“カッコのつけ方”が

「カタラン数」と一致するのか?

 

たとえば,

㋐ 1+(2+3) や ㋑ (1+2)+3

を日本語に読みくだすと,

㋐ 1+(2+3)

…「1に,23たしたものをたす

㋑ (1+2)+3

…「12たしたものに,3たす

となります.

ここで,  部を順に,数や+ (プラス)

の記号で書き連ねると,

㋐ 1+(2+3) …“123++”

㋑ (1+2)+3 …“12+3+”

となります.

これらの数や+の列を左から順に見ていくと,「数の個数」がいつでも「+の個数」を上回っていますね.

㋑では,

となります.

“+” の記号が現れる前には,必ず“〇と△を”という言い回しがあるはずなので,

「数の個数」がいつでも「+の個数」を上回るのです.

すると,例の経路の数を数える話です.

上の図の  線を上に超えない経路の数を書き込むと,カッコのつけ方の総数が求められるというワケです.

本問の (4) では,数が6個,+が5個ですから,一番右上の,42通りが答えとなります.